
こんにちは。お久しぶりです。
更新が滞っているのは、完全に読書の幅を広げすぎたためでしょう。
4冊くらい並行して読んでいるんですが、そのために進みが遅い。
1冊に時間をかけすぎると、良いことなんて一つもありませんね。やはり本は、ある程度の時間内で読み終わるつもりで、集中して読んでしまうのが一番よかったんでしょう。反省してます。
さて、今回は北方領土問題についての本。ゼミで北方領土に関しての意見を出す必要があったので、一冊読んでみました。
個人的に、北方領土問題については、読む前はそこまで気にすることはなかったですね。
べつに深刻な問題でもないだろうと。自分とは特に関係がない問題に見えていました。
そんな僕ですが、内容は理解できましたよ。
筆者の主張を簡単に言ってみると、中ソの領土問題の解決方法から学んだうえで、日ロの領土問題の解決方法についても一度仕切りなおして考えるべきだ、というものでした。
年表を自分で作ってみたので、掲載します。
1945
日本敗戦
ソ連が歯舞、色丹、国後、択捉の四島占領(当時は北方領土という単語はない)
当時は17000人の日本人が在住
1951
サンフランシスコ講和条約(ソ連と中国は調印せず)
千島の放棄
1956
日ソ共同宣言
領土問題が片付かず、平和条約でなく「共同宣言」
日本:歯舞・色丹の二島返還 + 国後・択捉の継続協議
ソ連:歯舞・色丹の二島返還
→決裂
(米ソの対立、日ソの関係も緊張が続く)
1989~
ゴルバチョフ登場、ペレストロイカ実行
1991
ゴルバチョフ来日
ソ連崩壊、ロシア連邦が領土問題引継ぎ
日本:四島に属する主権を確認ののち、実際の引き渡しは柔軟に対応
ソ連:2島引き渡しで平和条約締結 + 2島継続協議
→決裂
1999
二島先行返還論の浮上
鈴木宗男と佐藤優の活動 など
まぁこんな感じですか。
間違ってたら指摘してください。
さてさて、ここで北方領土についてとやかく言うつもりはありませんが、個人的に考えるヒントになりそうだなと思った主張をいくつか挙げていきます。
・北方領土問題がなかなか解決しないのは、両国ともに本腰をいれるほどの状況ではないからである
中露の場合は国境の線が長く、さらに中ソ論争もあるなど、領土問題が大きな戦争に発展しかねない状況でした。
そんな両国の信頼関係の構築が最優先されるような状況だったがために、政治的妥協も行われたのです。
対して、日露はどうでしょうか。
先ほど僕自身の例を出してみましたが、国民のどれくらいが北方領土の解決を真剣に望んでいるでしょうか。
北方領土の拗れが、すぐに日露の戦争に発展するように思われますか。
そのあたりが、どうやら北方領土問題の長期化をもたらしているようです。
・領土問題解決方法にはいくつかの手法が存在する
出来るところからやるという原則
フィフティ・フィフティ
共同利用
などがそれです。まぁ詳しくは読んでください。
これらの政治的なやりかたの上に、ウィン・ウィンが成立する必要があるのです。
・領土問題の解決はウィン・ウィンである必要がある
領土問題解決の過程での政治的妥協は、国民が納得をしなければいけない。納得のいかない妥協、というものは長続きしないだけでなく、将来に禍根を残すものであります。
日本もロシアも「この決定が最高の結果である」と言うことが出来なければいけません。
領土問題による相互不信を取り除く、ということはそれだけで価値を持ちます。しかしその解決方法は禍根を残すものであってはならないのです。
もしそうでなければ、いつか必ずまた領土を取り返そうとする動きが起こるだろうし、テロやさらなる相互不信に繋がりかねません。
かつては中ソは厳しい情報統制が可能だったため、世論をしばしば無視できましたが、現代ではそれは事実上不可能ですね。国民に説明ができる解決がより一層求められるわけです。
中途半端な妥協よりも、解決を先のばしたまま「四島返還」を形の上で唱え続けるほうがまだマシともいえるんですね。
・四島返還は、利害関係に希薄である人ほど唱えやすい
固有の領土、という論理はほかの歴史的事実によって相対化されてしまうことが多いという弱点があります。
また、そもそも四島返還が本当に可能なのを現実的に、真剣に検討することも必要でしょうね。
そのうえでもし「やはり四島返還」となるのなら、また新しい具体的な計画を立てればよいでしょうが。
現状の「四島返還」は単なる思考停止であり、生産性があるとは言えないと思われます。
まぁこれくらいですね。
重要なのは、納得のいく妥協は敗北ではなく、勝利であるという点です。
ここをいかに理解できるか。国民に理解させるか。
難しいことですが、本気で領土問題を解決する気なら、現実的になることが絶対に必要であると考えられます。
現在の僕の意見は
二島返還+α。
これはこの本の中でもよく出てきますし、主張の核であります。
歯舞、色丹はロシア側も妥協として提示してくれている。
議論の俎上には+αの部分をもっぱらのせるべきでしょう。
いくつかの係争地や領海について議論をしていく、というのが建設的であると思います。
もちろん、この考え方を支持できなければ、現状のまま「四島返還」を唱え続けているのもアリかと思います。
でも、本当にそんなことが実現したとして、日露両国は本当に望ましい未来を手に入れることが出来るか。
一度考える必要があるかもしれませんね。
現状抜きに理想だけで動くと失敗する。
これは司馬遼太郎の小説を読んでいて何となく思い知ったことです。
思想や理想の美しさだけを頼りに生きる人の、なんと弱いことか。
理想と現実のあいだで板挟みになり、悲鳴を上げながらもなんとかしようとしていく、そういった姿勢が成功を導いていくんじゃないかと僕は思います。
さて、司馬遼太郎の「翔ぶが如く」も5巻にいきました。
また、佐藤優の「国家論」も読み進めています。
とりあえず、手を広げすぎないように、読んでいきたいと思います。
では。
更新が滞っているのは、完全に読書の幅を広げすぎたためでしょう。
4冊くらい並行して読んでいるんですが、そのために進みが遅い。
1冊に時間をかけすぎると、良いことなんて一つもありませんね。やはり本は、ある程度の時間内で読み終わるつもりで、集中して読んでしまうのが一番よかったんでしょう。反省してます。
さて、今回は北方領土問題についての本。ゼミで北方領土に関しての意見を出す必要があったので、一冊読んでみました。
個人的に、北方領土問題については、読む前はそこまで気にすることはなかったですね。
べつに深刻な問題でもないだろうと。自分とは特に関係がない問題に見えていました。
そんな僕ですが、内容は理解できましたよ。
筆者の主張を簡単に言ってみると、中ソの領土問題の解決方法から学んだうえで、日ロの領土問題の解決方法についても一度仕切りなおして考えるべきだ、というものでした。
年表を自分で作ってみたので、掲載します。
1945
日本敗戦
ソ連が歯舞、色丹、国後、択捉の四島占領(当時は北方領土という単語はない)
当時は17000人の日本人が在住
1951
サンフランシスコ講和条約(ソ連と中国は調印せず)
千島の放棄
1956
日ソ共同宣言
領土問題が片付かず、平和条約でなく「共同宣言」
日本:歯舞・色丹の二島返還 + 国後・択捉の継続協議
ソ連:歯舞・色丹の二島返還
→決裂
(米ソの対立、日ソの関係も緊張が続く)
1989~
ゴルバチョフ登場、ペレストロイカ実行
1991
ゴルバチョフ来日
ソ連崩壊、ロシア連邦が領土問題引継ぎ
日本:四島に属する主権を確認ののち、実際の引き渡しは柔軟に対応
ソ連:2島引き渡しで平和条約締結 + 2島継続協議
→決裂
1999
二島先行返還論の浮上
鈴木宗男と佐藤優の活動 など
まぁこんな感じですか。
間違ってたら指摘してください。
さてさて、ここで北方領土についてとやかく言うつもりはありませんが、個人的に考えるヒントになりそうだなと思った主張をいくつか挙げていきます。
・北方領土問題がなかなか解決しないのは、両国ともに本腰をいれるほどの状況ではないからである
中露の場合は国境の線が長く、さらに中ソ論争もあるなど、領土問題が大きな戦争に発展しかねない状況でした。
そんな両国の信頼関係の構築が最優先されるような状況だったがために、政治的妥協も行われたのです。
対して、日露はどうでしょうか。
先ほど僕自身の例を出してみましたが、国民のどれくらいが北方領土の解決を真剣に望んでいるでしょうか。
北方領土の拗れが、すぐに日露の戦争に発展するように思われますか。
そのあたりが、どうやら北方領土問題の長期化をもたらしているようです。
・領土問題解決方法にはいくつかの手法が存在する
出来るところからやるという原則
フィフティ・フィフティ
共同利用
などがそれです。まぁ詳しくは読んでください。
これらの政治的なやりかたの上に、ウィン・ウィンが成立する必要があるのです。
・領土問題の解決はウィン・ウィンである必要がある
領土問題解決の過程での政治的妥協は、国民が納得をしなければいけない。納得のいかない妥協、というものは長続きしないだけでなく、将来に禍根を残すものであります。
日本もロシアも「この決定が最高の結果である」と言うことが出来なければいけません。
領土問題による相互不信を取り除く、ということはそれだけで価値を持ちます。しかしその解決方法は禍根を残すものであってはならないのです。
もしそうでなければ、いつか必ずまた領土を取り返そうとする動きが起こるだろうし、テロやさらなる相互不信に繋がりかねません。
かつては中ソは厳しい情報統制が可能だったため、世論をしばしば無視できましたが、現代ではそれは事実上不可能ですね。国民に説明ができる解決がより一層求められるわけです。
中途半端な妥協よりも、解決を先のばしたまま「四島返還」を形の上で唱え続けるほうがまだマシともいえるんですね。
・四島返還は、利害関係に希薄である人ほど唱えやすい
固有の領土、という論理はほかの歴史的事実によって相対化されてしまうことが多いという弱点があります。
また、そもそも四島返還が本当に可能なのを現実的に、真剣に検討することも必要でしょうね。
そのうえでもし「やはり四島返還」となるのなら、また新しい具体的な計画を立てればよいでしょうが。
現状の「四島返還」は単なる思考停止であり、生産性があるとは言えないと思われます。
まぁこれくらいですね。
重要なのは、納得のいく妥協は敗北ではなく、勝利であるという点です。
ここをいかに理解できるか。国民に理解させるか。
難しいことですが、本気で領土問題を解決する気なら、現実的になることが絶対に必要であると考えられます。
現在の僕の意見は
二島返還+α。
これはこの本の中でもよく出てきますし、主張の核であります。
歯舞、色丹はロシア側も妥協として提示してくれている。
議論の俎上には+αの部分をもっぱらのせるべきでしょう。
いくつかの係争地や領海について議論をしていく、というのが建設的であると思います。
もちろん、この考え方を支持できなければ、現状のまま「四島返還」を唱え続けているのもアリかと思います。
でも、本当にそんなことが実現したとして、日露両国は本当に望ましい未来を手に入れることが出来るか。
一度考える必要があるかもしれませんね。
現状抜きに理想だけで動くと失敗する。
これは司馬遼太郎の小説を読んでいて何となく思い知ったことです。
思想や理想の美しさだけを頼りに生きる人の、なんと弱いことか。
理想と現実のあいだで板挟みになり、悲鳴を上げながらもなんとかしようとしていく、そういった姿勢が成功を導いていくんじゃないかと僕は思います。
さて、司馬遼太郎の「翔ぶが如く」も5巻にいきました。
また、佐藤優の「国家論」も読み進めています。
とりあえず、手を広げすぎないように、読んでいきたいと思います。
では。
スポンサーサイト


