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本と6ペンス

The writer should seek his reward in the pleasure of his work. ("The Moon and Sixpence" Somerset Maugham)

27.世に棲む日日 一~四(司馬遼太郎)

こんにちは。
実は2月29日から8日間、一人でインドいってきましたw
一週間暇な時間を取れることなかなかないんで。
まぁそんなわけで、インドの旅行では移動時間が長かった関係もあり、暇なときにちょちょっと本読んでました。
それで読み終わったのが、司馬遼太郎の「世に棲む日日」。
吉田松陰から高杉晋作まで、幕末の革命の軸となった長州藩について書かれています。

革命の思想に生き、理想に身を焼いた吉田松陰と現実主義にのっとって革命を進め、非業の死を遂げるも成功を導いた高杉晋作。前半は吉田松陰、後半は高杉晋作を中心におき、結果として両者を対比的においている構成にも見えます。
司馬遼太郎本人は吉田松陰よりも現実主義者の高杉の方が好きだったみたいですね。
まぁそれはいいとして。
感想。
というのも難しいですね。
人生を一つの詩として生きる、というのは大変な魅力であることはわかりました。
しかし、そうした狂気に片足をどっぷりと漬かせつつも、常に冷静な目を持ち続ける人が成功するんだなぁと感じました。
特に、高杉晋作、伊藤俊輔(後の博文)、井上聞多(後の馨)の三人は、攘夷主義から開国主義に先んじて走りました。
それだけに身の危険も多かったのですが、結果としては正しかった。
攘夷という理想に走ったままでは、長州は潰え(まぁ結局廃藩置県でつぶれるんですが)日本の討幕もなされなかったでしょう。
「酒間で独り醒めている必要がある。しかし同時に、大勢と一緒に酔態を呈しているべきだ。」
竜馬がゆく、の言葉ですが、こういうことが出来ないと確かに大事は成せませんね。
ちなみに
「人間は艱難は共にできても、富貴は共にできない」これは高杉の言葉です。
こういう独特の見方を持っているのはつくづく大切だなぁ後思います。
もう一つは高杉晋作の戦争の才能ですね。よくもまぁあんなに思った通りに行くなぁ、と。
まぁ物語だから…ということもできますが。
他にも高杉の人生を彩る詩や女性における記述も多く、
「おもしろき こともなき世を おもしろく」生きた、彼の短くも充実した人生を存分に味わうことができました。

さてまぁこれくらいで。
なぜ司馬遼太郎にハマってるかといいますと。
罪と罰以来、自分の器量や人間としての形について考えることが多くなったんですね。
いま自分は19歳なんで、今年から成人の社会へと突入していくわけです。
そんな年齢である自分が、これから将来について考えるときに、どうしても色々な人間の「一生」に興味が湧いてしまうのです。
色々な人の人生を知りたい。
そしてそこから学んだ上で、自分にしかできないことをやってみたいと。
そんな理由で、僕は人の一生をめぐるドラマに興味を持っているんです。
受験は世界史だったんで日本史にはちっとも明るくないんですけど、それでも司馬遼太郎は面白いと思います。
この記事で興味を持ってくれたら幸いです。
次回は何読むかわかりません。一応「翔ぶが如く」を読んでいますけど。

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